呼吸器の疾患
呼吸器の疾患

いわゆる「風邪」のことを指します。感冒症状(鼻水、咳、咽頭痛、倦怠感、発熱、痰)などを伴い、急激に発症するのが特徴です。
原因は様々ですが、流行性のものとしてインフルエンザ、COVID-19(新型コロナウイルス)、RSウイルス、ライノウイルス、パラインフルエンザウイルスなどがあります。
多くは数日から1週間で自然治癒するため、抗菌薬(抗生物質)は必須ではありませんが、抗炎症薬や去痰薬(痰切り)、鎮咳薬(咳止め)、漢方薬などでつらい症状を和らげる対症療法を行います。
インフルエンザやCOVID-19には抗ウイルス薬があり、ウイルスの増殖を抑えることで症状の早期改善や重症化予防が期待できます。また、これらはワクチン接種による予防が可能です。
肺炎球菌、肺炎桿菌(クレブシエラ)、モラクセラ・カタラーリスなどの細菌が肺に感染して起こる肺炎です。
原因菌の特定には、喀痰(かくたん)検査や尿中抗原検査が有効です。一般的にβラクタム系抗菌薬(サワシリン、オーグメンチン等)が奏効しますが、小児や高齢者、免疫機能が低下している方は重症化しやすく入院が必要になる場合があります。
肺炎球菌はワクチンで予防可能ですので、特に高齢の方には接種を推奨しています。
マイコプラズマは小児から成人まで幅広く流行し、頑固な咳のわりに痰が出ないなどの特徴があります。診断には血液検査や迅速検査を用います(成人の迅速検査は感度が低い場合があります)。
レジオネラは、循環式浴槽(銭湯・温泉)や井戸水などで発生しやすく、重症化しやすい肺炎です。
これらは一般的なβラクタム系抗菌薬が効かないため、マクロライド系(アジスロマイシン)、テトラサイクリン系(ビブラマイシン)、キノロン系(レボフロキサシン)などの抗菌薬を選択します。
高齢の方や嚥下(飲み込み)機能が低下している方に多く、お口の中の常在菌が気管へ垂れ込むことで発症します。抗菌薬で一時的に改善しても、嚥下機能自体が改善しないと再発を繰り返す傾向があります。治療とともに、嚥下リハビリテーションなどが推奨されます。
小児を中心に流行しますが、大人も感染します。激しい咳が長く続くのが特徴です。血液検査や抗原検査で診断し、マクロライド系抗菌薬を用いて治療します。
感染症が悪化し、肺の中に膿(うみ)の袋ができたり(肺化膿症)、肺と胸壁の間の空間に膿がたまったり(膿胸)する状態です。糖尿病や虫歯、結核などが原因となることもあります。
膿胸の場合、体外へ膿を出す「ドレナージ」という処置が必要となるため、対応可能な連携病院へご紹介いたします。
カビ(真菌)が肺に感染する病気で、肺アスペルギルス症やクリプトコッカス症が代表的です。肺の手術歴がある方、気管支拡張症の方、免疫力が低下している方が罹患しやすい傾向があります。治療には抗真菌薬を月単位で服用する必要があります。当院でも診断・治療が可能です。
過去の病気と思われがちですが、現在でも発症が見られる感染症です。微熱、寝汗、咳が続く場合は注意が必要です。
診断には喀痰検査や血液検査(IGRA)を用います。治療は複数の抗菌薬(リファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、エタンブトール)を半年~1年程度服用します(公費負担制度あり)。保健所と連携し、呼吸器専門医が治療にあたります。
近年、中高年の女性を中心に増加している病気です。結核とは異なり人から人へは感染しませんが、土壌や水回りに生息する菌が原因となります。
診断には喀痰検査と血液検査を行いますが、特に喀痰での菌種特定が重要です。基本は3種類の抗菌薬による治療となりますが、難治性の場合はアミカシン吸入(アリケイス)なども検討します。当院では結核・抗酸菌症の知識を持つ医師が治療にあたります。
長引く咳の原因として最も多い疾患です。
日中より夜間や明け方に症状(咳、痰、息切れ、ヒューヒューという喘鳴)が出やすく、アレルギー素因(アトピー、花粉症)を持つ方に多く見られます。
診断には血液検査、スパイロメトリー(呼吸機能検査)、呼気NO(FeNO)検査を行います。当院では喘息治療に精通した医師が診療します。
※詳しくは気管支喘息のページをご覧ください。
長期間の喫煙により肺が壊れ、労作時(動いた時)の息切れや痰が生じる病気です。
長期喫煙歴とスパイロメトリーでの一秒率低下(FEV1%<70%)で診断します。
治療の第一歩は「禁煙」です。その上で気管支拡張薬などの吸入治療や、呼吸リハビリ(呼吸筋トレーニング)を行い、進行を抑制します。近年では、生物学的製剤(デュピクセント等)も新たな治療選択肢として加わっています。
気管支が拡張したまま戻らなくなったり、炎症が広がったりする病気です。マクロライド系抗菌薬の少量長期療法により、進行抑制や症状緩和を目指します。新しい吸入療法などの知見も取り入れながら診療します。
様々な原因で肺の壁(間質)が炎症を起こし、硬く(線維化)なっていく病気の総称です。
原因不明で徐々に肺が硬くなり、蜂の巣状(蜂巣肺)になってしまう難病です。
抗線維化薬(オフェブ、ピレスパ)の早期導入が進行抑制に有効です。当院では難病指定の申請(特定医療費受給者証の申請)もサポート可能です。
関節リウマチ、シェーグレン症候群、皮膚筋炎などの「膠原病(こうげんびょう)」が原因で起こる間質性肺炎です。膠原病内科と連携し、全身管理を含めた治療を行います。
特にEGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)は、気管支喘息と強い関連がある全身性の血管炎です。難病指定されており、当院での診断も可能です。基本のステロイド治療に加え、ヌーカラやファセンラといった生物学的製剤による治療も行っています。
全身の臓器に「肉芽腫」ができる原因不明の疾患です。肺病変の診断には気管支鏡検査が必要となることが多いため、
昭和医科大学藤が丘病院等と連携して診断・治療を進めます。
原因不明ですが、好酸球性喘息などと関連が深いとされる疾患です。長期のステロイド治療が奏効する場合が多いです。
鳥の羽毛、古い家屋や加湿器のカビなどを吸入することで起こるアレルギー性の肺炎です。
治療の基本は「抗原回避(原因物質を避けること)」です。改善しない場合はステロイドや抗線維化薬を使用することもあります。
検診のレントゲン異常や、咳、血痰、胸水などで発見されることが多い病気です。
早期発見が重要であり、当院では迅速な検査・診断に努めます。
精密検査や手術・抗がん剤治療が必要な場合は、昭和医科大学藤が丘病院や北里大学病院などの高度医療機関へ紹介いたします。院長は長年、大学病院で肺癌診療に従事してきたスペシャリストですので、治療方針のご相談や緩和ケアに関するお悩みも気兼ねなくご相談ください。
肺に穴が開き、空気が漏れて肺がしぼむ病気です。痩せ型の若い男性に多く、突然の胸痛や息苦しさが特徴です。レントゲンで診断し、軽症なら安静、中等症以上は病院での処置(脱気ドレナージ等)が必要となります。
睡眠中に呼吸が何度も止まり、いびきや日中の強い眠気を引き起こします。放置すると高血圧や脳卒中のリスクとなります。
自宅で可能な「簡易睡眠検査」で診断し、必要に応じてCPAP療法(持続陽圧呼吸療法)を導入します。
※詳しくはSASのページをご覧ください。
もちろんです。咳が3週間以上続く場合は「慢性咳嗽(まんせいがいそう)」と呼ばれ、単なる風邪ではない可能性が高いです。咳喘息、アトピー咳嗽、COPD、あるいは結核や肺癌など、専門的な治療が必要な病気が隠れていることもあります。自己判断せず、お早めにご相談ください。
的確な診断と、専門性の高い治療が受けられる点です。「呼吸器専門医」は、肺や気管支の病気に特化した知識と経験を持つ医師です。特に「長引く咳」の原因診断、喘息とCOPDの判別、適切な吸入薬の選択、間質性肺炎や肺癌の早期発見には高度な専門性が求められます。当院の院長は、昭和大学藤が丘病院呼吸器内科等で長年研鑽を積んでまいりました。大学病院レベルの知見に基づき、患者様に最適な治療をご提案します。
精密検査(胸部CT等)が必要です。影の原因は、古い肺炎の痕(陳旧性陰影)であることも多いですが、肺癌、結核、間質性肺炎などの可能性も否定できません。当院では専門医による画像読影やCT検査の手配が可能です。検診の結果通知書をお持ちの上、ご受診ください。
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