咳が止まらないのはなぜ?呼吸器専門医が解説する原因と対処法
- 2025/10/14
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咳が止まらないのはなぜ?呼吸器専門医が解説する原因と対処法
「風邪は治ったはずなのに、咳だけがしつこく残っている」「夜中や明け方に咳が出て、よく眠れない」 このような「長引く咳」の症状でお悩みではありませんか?
単なる咳と軽く考えがちですが、2〜3週間以上続く場合は、風邪以外の原因が隠れている可能性があります。咳は大切な防御反応ですが、長く続く場合は身体からのサインかもしれません。放置せず、ぜひ一度ご相談ください。
長引く咳の代表的な原因
咳が長引く場合、以下のような様々な原因が考えられます。
- 感染後咳嗽(かんせんごがいそう)
- 風邪やインフルエンザなどの感染症の後、咳だけが数週間続く状態です。気道が一時的に過敏になっていることが原因です。
- 咳喘息(せきぜんそく)
- 喘息(ぜんそく)の一種で、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)はなく、空咳だけが長く続くのが特徴です。特に夜間や早朝、季節の変わり目、寒暖差などで悪化しやすくなります。
- アトピー咳嗽
- アレルギー体質の方に多く見られ、のどのイガイガ感を伴う乾いた咳が特徴です。咳喘息と同様に、特定の状況で咳が出やすくなります。
- 副鼻腔気管支症候群(ふくびくうきかんししょうこうぐん)
- 鼻水がのどの奥に流れる「後鼻漏(こうびろう)」により、湿った咳や痰(たん)が長く続きます。
- 逆流性食道炎
- 胃酸が食道へ逆流することで、のどや気管支が刺激されて咳が出ます。食後や横になった時に咳が出やすいのが特徴です。
- その他
- 喫煙による慢性閉塞性肺疾患(COPD)のほか、微熱や体重減少を伴う肺結核、乾いた咳と息切れが特徴の間質性肺炎、百日咳などの感染症、薬の副作用など、専門的な診断が必要な病気が隠れていることもあります。
こんな症状があれば要注意
- 咳が3週間以上続いている
- 夜間から明け方にかけて咳がひどくなる
- 胸の痛みや息苦しさを伴う
- 痰に色(黄色や緑色)がついていたり、血が混じったりする
- 会話をするだけで咳き込んでしまう
- 特定の場所や季節になると咳が出やすい
こうした症状がある場合、市販の咳止め薬だけでは改善しない可能性があります。
ご自宅でできる対策
- 加湿と水分補給
- 空気が乾燥すると気道が刺激されます。加湿器を使ったり、濡れタオルを干したりして部屋の湿度を保ちましょう。こまめな水分補給も大切です。
- 刺激物を避ける
- タバコの煙(受動喫煙を含む)、ホコリ、強い香りは咳を悪化させる原因になります。こまめな掃除や換気を心がけましょう。
- 体を温める
- 首元や体を冷やさないようにし、温かい飲み物で喉を潤しましょう。
- バランスの取れた食事と十分な睡眠
- 体力や免疫力が低下すると、咳が長引きやすくなります。
アーク内科でできるサポート
長引く咳の適切な治療には、原因の正確な特定が欠かせません。当院では呼吸器専門医の資格を持つ医師が診療にあたり、専門的な知見から的確な診断と治療を行います。
◆詳しい問診と診察
咳の性質(乾いているか、湿っているか)、咳の出る時間帯、きっかけ、痰の有無などを詳しくお伺いし、聴診で呼吸音を確認します。
◆必要な検査の実施
必要に応じて、胸部レントゲン検査、呼吸機能検査、アレルギー検査などを行い、咳の原因を多角的に調べます。
◆原因に応じた治療
咳喘息やアトピー咳嗽:吸入ステロイド薬や抗アレルギー薬などを処方します。
感染症:原因となる菌に合わせた抗菌薬などを処方します。
逆流性食道炎:胃酸を抑える薬を処方し、食生活の指導も行います。
◆生活指導と再発予防
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- 禁煙指導やアレルゲンの除去など、咳を悪化させないための生活習慣についてアドバイスします。
まとめ
「たかが咳」と放置していると、症状が悪化して日常生活に支障をきたしたり、肺結核や間質性肺炎といった重篤な病気が進行してしまったりする可能性があります。市販薬を長く使っても改善しない、眠れないほどつらいといった場合は、自己判断せずにぜひ一度ご相談ください。
アーク内科では、呼吸器専門医が長引く咳の原因をしっかりと見極め、皆様が快適な生活を取り戻せるようサポートいたします。